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貯雪用膜材を用いた雪利用を目指し、「大野市スターランドさかだに」で屋外雪貯蔵実験を開始
貯雪用膜材を用いた雪利用を目指し、「大野市スターランドさかだに」1)で屋外雪貯蔵実験を開始
福井県大野市のような特別豪雪地帯では、数mを超える積雪が市民生活を悩ましています。カーボンニュートラル推進本部では、この雪をエネルギー源として活用することを目指しています。
既に雪を冷熱源とした取り組みは、県内外でも数多く行われていますが、大掛かりな雪貯蔵施設を建設したものや、バーク材(木の樹皮)やもみ殻を被覆材として用いたものが大半です。そのため、大きなイニシャルコストや周辺環境への負荷をかけることなく、雪を有効利用することが求められています。
福井大学では造成した雪山に、保冷シートを展張する方法を開発しています。酒井化学工業株式会社2)(鯖江市)と連携し、気泡緩衝材とアルミ箔を組み合わせた「ラミパックSD」を用いた保冷工法(特許出願中)を共同で開発し、「星空保護区」3)に認定された大野市南六呂師エリアにある「スターランドさかだに」にて実証実験を開始しました。約400m3の雪山を造成し、保冷シート(約20m×15m)で覆うことで、雪山を初夏まで保存して活用することを目標としています。保存した雪は食品冷蔵や室内の冷房などに利用することができます。
またスターランドさかだにでは、例年7月に1万本のひまわりが見ごろを迎え多くの観光客が訪れますが、今後、保存した雪山を用いたイベントやアクティビティなども計画しています。
なお、本実証実験は大野市の後援をいただいて実施しています。


1) スターランドさかだに https://www.instagram.com/starland_sakadani/
https://www.city.ono.fukui.jp/kanko/kanko-joho/taiken/starland.html
2) 酒井化学工業株式会社 https://www.sakai-grp.com/
3) 「星空保護区」:光害問題に取り組む世界最大のNPO団体「ダークスカイ・インターナショナル」が認定する、暗く美しい夜空を保護するための優れた取り組みを行う地域のことです。