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貯雪用膜材(ゆきむろシート)を用いた雪利用技術を「おおの環境フェア2025」でPR
福井県大野市のような特別豪雪地帯では、数mを超える積雪が市民生活を悩ましています。カーボンニュートラル推進本部では、この雪をエネルギー源として活用する取り組みを実施しています。
大野市役所で開催された「おおの環境フェア2025」で雪利用技術のPRと雪冷房体験の出展を行いました。出展に利用した雪は、「大野市スターランドさかだに」1)において、今年の2月末に造成した雪山に特殊な「ゆきむろシート」2)で覆うことで貯蔵したものです。
https://zerocarbon2040.ad.u-fukui.ac.jp/news/91/
この技術は、酒井化学工業株式会社(鯖江市)3)と福井大学が共同開発したもので、屋外での貯蔵開始から約3カ月経過した現在も、50%程度の雪を貯蔵することができています。
大野市役所の駐車場に開設された会場では、『雪冷房の体験』と『雪との触れ合い』のコーナーを設けました。体験コーナーでは、遮熱加工を施したテントと通常のテントを設置し、貯蔵場所から切り出した雪をそれぞれ据え付けることで雪冷房を実施し、ゆきむろシートの遮熱効果や雪冷熱を体感していただきましたが、両者のテント間では7~10℃程度の温度差が観測されました。また、触れ合いコーナーでは、貯蔵場所から切り出した雪をそのまま設置し、直接触っていただきました。
当日は天候にも恵まれ、市民の皆様からは「降雪期には厄介者の雪も、夏季まで保管すれば有効利用できるんだ!」というような非常に好意的なご意見をいただきました。我々は、この研究を雪室貯蔵による食品の付加価値化などに応用したいと考えています。






1)スターランドさかだに https://starland-sakadani.com/about/
2)ゆきむろシート 気泡緩衝材とアルミ箔を組み合わせた「ラミパックSD」と遮光性シートを組み合わせ保冷シート(特許出願中)
3)酒井化学工業株式会社 https://www.sakai-grp.com/